ウィークリーダイジェスト2016.11.20

今週のフィリピン株式市場概況

今週も話題の中心はトランプ氏の提唱する経済政策(大型減税とインフラ整備による財政出動から財政赤字が意識されています。)により、米国債に強い利回り上昇圧力がかかり、トランポノミクスへの期待感から株高ドル高の動きが広がり、NYダウは連日史上最高値を更新する場面がありました。

さらに15日の米小売売上高の好結果など、米景気そのものの地合いの強さも安心感を与えている状況となっています。

注目のイエレン議長による上下両院合同経済委員会での議会証言においては、トランプ氏の経済政策による望まぬインフレ加速の可能性が指摘され、来年の利上げペース拡大の思惑が広がりました。 これにより、12月利上げはほぼ確実となりましたが、12月FOMCは利上げの有無よりもむしろ、FOMCメンバーの金利見通し(ドットチャート)のほうを注目したいと思います。

さて、フィリピン市場ですが資金がドルに集まりやすい状況の下、外人は売り越し額を増やし、今週は52億ペソの大量の売り越しとなりましたが6800ポイント台ということと、2016年第3四半期のGDP成長率が前年同期比7.1%と予想を上回る結果となり、(前期(第2四半期)の7.0%、前年同期の6.2%)国内の機関投資家が向かって買いを入れ、週末には7000ポイント台を回復しました。

フィリピンの第3四半期成長率(7.1%)は、アジア主要国の中で、1、2位を争う高さであり、中国(6.7%)、ベトナム(6.4%)、インドネシア(5.0%)、マレーシア(4.3%)などを上回っており、足元の経済は絶好調を維持したままとなっています。

企業の第3四半期の決算発表も相次いでいますが前年同期比2桁の増収増益を出している企業も多く、相場はいつでも8000ポイントを超えてもおかしくないとみており、今年の1月からの相場の再現が起きると観ています。当時も下げは外人売り、外人が売った分を買い越しに回り続けインデックスは史上最高値近くに迫りました。現在の今年の買い越し額は190億ペソまで減少しており、来週も売り越すようだと、強気に向かって買っていっても良いと考えています。

今週の視点

国内3位のバンクオブフィリピンアイランズ(BPI)、国内2位の不動産開発企業アヤラランド(ALI)、通信業界2位のグローブテレコム(GLO)などを傘下に持ち、三菱商事も10%強出資している持株会社アヤラコーポレーション(AC)は第3四半期の決算を開示し、1月から9月の純利益は前年同期比11%増の196億ペソとなりました。

デュテルテ大統領が表明している外資規制緩和に伴い、ドミンゲス財務長官は、2017年5月ごろをめどに外国投資比率を産業別に制限している投資ネガティブリストの条項を修正し、外国人投資家により門戸を開く方針であると発表しました。同ネガティブリストについては、アキノ政権下の15年に大統領令第184号が布告され、小売業や米・トウモロコシ産業への100%外資所有が条件付きで認められ一部修正された経緯があります。

14日に行われた財務省証券(TB)の公開入札では、トランプ政権誕生による政治経済状況の不透明性が増したことに加え、米連邦準備制度理事会による政策金利引き上げ予測も強まっていることなどにより、市中銀行の金利指標となっている短期銘柄91日物のレートが前回比0.203ポイント増の1.484%に上昇しました。

デルモンテ・フィリピンズ(DMPL)は、ミンダナオ地方におけるパイナップル事業をさらに拡大する計画を開示し、現在の作付け面積2万3千ヘクタールに加え、ブキドノン州や東ミサミス州で5千ヘクタール分を新たに開発することにより、年間売上高も現在の3億5千万ドルから今後5年で10億ドル台まで増やす方針を発表しました。

今週の主な経済イベント

21日(月)
日本貿易収支(10月)
ドラギECB総裁、議会証言

22日(火)
米中古住宅販売件数(10月)

23日(水)
米耐久財受注(10月)
米新築住宅販売(10月)
米新規失業保険申請件数(19日までの週)
米FOMC議事録(11月1日、2日分)

24日(木)

25日(金)
日本消費者物価指数(10月)

 

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