ウィークリーダイジェスト2016.12.4

今週のフィリピン株式市場概況

今週注目のOPEC総会では減産で合意され、原油価格は1年4カ月ぶりに50ドルを突破、引き続きドル高株高となり、NYダウは史上最高値をまたまた更新しました。
また、米財務長官人事では、以前から噂になっていたムニューチン氏のへの起用が報道されました。ムニューチン氏は元ゴールドマン・サックスの幹部で選挙戦では財務責任者を務めたトランプ氏の側近で、経済政策の柱である巨額減税やインフラ投資のかじ取りを担うことになりそうです。

金融界の出身者が米財務長官になるケースはこれまでも数多くありました。ウォール街にとってはドル高で海外からの資金が米金融市場に集まったほうがビジネス機会が増えることもあって、金融出身者が米財務長官になるとドル高が期待されることも現在の相場を形成している一つとなっています。

さて、しかし、今回はどうでありましょうか?同氏は公職での経験はなく為替対策などの手腕は未知数です。トランプ氏は選挙戦で日中の通貨安誘導を非難していました。特に中国に対しては為替操作国に指定し、高関税を課すとも公言しています。ドル高は金融界にとっては歓迎なのかもしれませんが、逆に米製造業にとっては輸出に影響し打撃となります。トランプ氏の支持者はむしろ、製造業の中間白人層が多いようですし、為替相場の動向と、もしドル安に大きく振れて行った時のアメリカ株式市場の反応、その際のフィリピン市場がどうなるのか?などなど判断が難しい状況が続くこととなります。

今週のフィリピン市場は上に行きたがっているようで買いが入りますが相変わらずの外人売り(今週は17億ペソの売り越し)が勢いを止めている感じとなっています。ただ、6800ポイント前後では国内機関投資家が好調な国内経済を後ろ盾に強気に買っており、外人の今年の買い越し額も130億ペソまで低下しています。12月のアメリカ利上げ(0.25%)は織り込んでいますので、サプライズ的なことがない限り、国内外の機関投資家が売りに回ることもないため、年末のはインデックスは7200ポイント以上になることもあると観ています。

今週の視点

来週ですが、日曜日(まさに今日)のイタリア国民投票とオーストリア大統領選に注目されます。

結果次第では、イタリアにも英米のようなポピュリズムが強まり、ユーロ離脱を主張している右派政党の台頭が警戒されており、来年の仏大統領選やドイツ総選挙にも不透明感が強まることになります。その兆行なのか、投資家を対象に調査している向こう12ヵ月以内に少なくとも1ヵ国がユーロ圏を離脱すると予想した投資家の割合を示すユーロ圏崩壊指数(EBI)が24%と前回調査の17.5%から急上昇しています。6月の英国民投票時にもこの指数は27%まで上昇しましたが、今回はそれ以来の高水準となっています。

もうひとつは、ECB理事会で、直近のインフレ指標から2017年3月までとしている資産購入プログラム購入期限の6ヵ月程度の延長が見込まれています。そのことよりも注目は量的緩和(QE)の縮小でしょう。現在の月間800億ユーロペースでの購入規模を縮小し、いずれQEを終了することを匂わしたときにはユーロは巻き戻され、アメリカのときのようないやな相場が頭によぎります。

今週の主な経済イベント

4日(日)
イタリア国民投票
オーストリア大統領選

5日(月)
黒田日銀総裁、講演
中国財新サービス業PMI(11月)
米ISM非製造業景況指数(11月)
ユーロ圏財務相会合
NY・シカゴ・セントルイス連銀総裁、講演

6日(火)
フィリピン消費者物価指数(11月)
米製造業受注(10月)
EU財務相理事会

7日(水)
フィリピングロス・インターナショナル・レベニューBIR(11月)

8日(木)
日本GDP 改定値(第3四半期)
中国貿易統計(11月)
ECB政策金利・ドラギECB総裁、記者会見
米新規失業保険申請件数(3日までの週)

9日(金)
中国消費者物価指数(11月)
中国生産者物価指数(11月)
米ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値(12月)

 

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